い草ってなぁ~に?Vol 3

北九州市立大学准教授/農学博士
森田  洋
http://www.kitakyu-u.ac.jp/env/subject/d-life/Hiroshi_Morita/index.html
子供部屋には是非畳を敷いてほしい!今回は福岡市内の学習塾で行った研究成果についてご紹介いたします。実は今から約2年前、畳の新しい効能を探ろうと、福岡市内の小学生・中学生に協力していただき、畳の教室と普通のフローリング教室(一般教室)とで、学習機能にどのような違いが起こるかについて解明を行いました。
舞台は福岡市内の大手学習塾。福岡県の畳組合青年部にお願いをして、部屋一面に畳を敷いた「畳教室」を作ってもらい、そのなかで中学1年生及び小学5年生の児童・生徒を対象として、畳教室での学習効果について調査をしました。畳教室は入り口で靴を脱いで、教室の中は素足でという方法をとっています。一般教室は靴でそのまま入って勉強してもらいました。
畳の教室と畳のない教室での学習効果の比較ですので、小中学生には1人2回。ともに日を改めて、畳の教室と一般教室でそれぞれ勉強してもらい、そのなかで試験を実施しました。試験は小学生レベルの簡単な算数の問題で30分間解いてもらいました。内容は小学生程度の簡単な足し算、引き算がベースです。231問用意して、30分で解いてもらいましたので、当然ほとんどの子供は途中で終わります(中には30分で231問全て答えたスーパー中学生もいましたが・・・)。この調査では、どこまで解けたか(解答数)、そしてそれだけ正解したか(正解率)が重要になります。調査終了後、簡単なアンケート調査を5分程度で実施しました。
その結果、驚くべきことがわかりました。畳の教室と一般教室で、個人においてどのぐらいの伸び率があるか集計してみました。つまり一般教室の結果を100として、畳教室の結果が何%かを算出するというものです。その結果、全体平均で解答数は114.4%、正解率は102.7%になりました。畳教室で解答することで、解答数が約14.4%増加することが明らかとなったのです。正解率は統計学的には有意差はありませんが,2.7%の増加でした。このように畳教室で解答するほうが解答数の伸びが認められ、かつ正解率も維持されるということで、畳教室には「集中力の持続効果」があるということが明らかとなったのです。

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