縁付きの畳を縁無し畳に・・・

近年そのデザイン性から、縁無し畳のご相談・ご依頼が増えて来ています。基本的に縁付き畳を縁無し畳に替えるとなれば、新規で作り入替え事になります。これは同じ畳であっても製作工程が全く異なる為です。一番の違いは幅寸法の決め方と仕上げ方です。縁付き畳は幅寸法をその裁断面で決め、縁を縫い付けて仕上げますが、縁無し畳は畳縁がありませんので巾寸法を裁断面で決める事が出来ません。畳表の切り口が解れてしまいます。したがって縁無し畳の巾寸法は畳床の切断面で決め、それを畳表を折曲げて包み縫い付けて仕上げます。ですから包み込む畳表の厚みを考慮して畳床寸法を切断しなければなりません。切断面も切りっ放しでは角が崩れて来ますので、シッカリ切り口処理の手間を掛けます。その上で畳表の厚みは1枚1枚微妙に違いますから、材料の個性を見抜いての加減や案配が重要になります。畳は張り替えを前提に作られています。糊やボンド・テープ等で貼付けるのでは無く全て縫い付けで仕上げているので、寸法を大きく作ってしまえば『たるみ・ふくれ』が出てしまいますし、小さく作れば隙間が空いてしまいます。また畳表を巾でそのまま曲げてしまえば角に草割れが生じて縁無し畳の意味を無くしてしまいます。縁無し畳の仕上げで畳屋が最も神経をとがらせ手間を掛ける工程です。
縁付き畳は縁の厚みの分だけ寸法を加減しています。畳表の厚みの分は加減していないんですね。縁付き畳の畳床をそのまま畳表で包んでしまえば、1枚巾で1分〜2分(3㍉〜6㍉)大きくなってしまい、2枚巾・3枚巾と畳枚数が増えれば増える程大きくなりキツ過ぎて入らないし、無理に敷けば、たるみやふくれが出て悲惨な敷き上がりになってしまうんですね!
それなら1分〜2分(3㍉〜6㍉)切り直せば済むじゃないか?となりますが、一度切断した畳床を再度、それも3㍉〜6㍉を切り落とそうとすれば角が崩れてしまい、使い様が無くなってしまうんですね。
以上の様な理由から、縁付き畳を縁無し畳に替えようとすれば新規畳に作り替えるしか無かったんです。
でもお客様側の視点に立ってみれば、同じ畳なのに・まだ使える畳なのに・お金を払って処分した畳床を、もう一度お金を出して新しい畳床を買い戻す事は納得しにくい想いを抱かれると思いました。
8年程前から、これまで出来ないとされて来た事を何とか出来る様に出来ないものかと、技術的な事ですので可能性にチャレンジし始めたんです。試行錯誤が3年ほど。なかなか上手く行きませんでしたが、少しずつ形になり4年目でクリア出来ました。
現在お使いの畳床がしっかりしている事が前提になりますが、縁付きの畳を活かして縁無し畳に替える事が可能となり、結果的に以前の様な古畳処分代+新規畳床材料代と言う納得しにくい費用負担をお客様に強いる事が無くなりました。(お使いの畳床が弱ってしまっている場合は新畳になります。)
ただこの技術には先ず、現況の確認が必要ですので縁無し畳にご興味があればお気軽にご相談下さい。当店はご相談・現況確認・アドバイス・御見積書提示までなら、一切料金は発生致しません。無料です。今後の畳替え御計画の参考にして頂ければと思っています。

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