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新素材(和紙表・樹脂表・PP表)ってな~に?
畳表と言えば【い草】ですよね!およそ1300年もの歴史があり、現在も畳表のスタンダードです。
前項http://syokuninkatagi.com/blog/?cat=25でもお伝えしました様に、私たちの健康で快適な暮らしをサポートしてくれる様々な機能・効用を秘めた素晴らしい材料です。ただ近年は日本人の生活様式・価値観・感性等が多様化して、場合によっては【い草】の畳が馴染まない場面も出て来るようになって来ました。『畳は良いんだけど、この部屋の使い方に【い草】はチョッと・・・?』。
そんなお客様のご要望に少しでもお応えする為に、開発された畳表が新素材(和紙表・樹脂表・PP表)なんですね!ですから新素材は【天然い草】とは全く違った、似て非なる材料だと言う事を頭に置いて向き合って頂ければ、失敗していまうリスクは避けられるように思います。
その為にも、今稿ではお客様に新素材ってどんな材料なのかを少しでもご理解いただけますように、肉眼では見る事の出来ない世界を画像を使ってお伝えしたいと思います。
新素材の畳表は大きく分けて【紙】系と【プラスチック】系の2種類です。樹脂・PPは表現こそ違いますが、どちらもプラスチックです。和紙表・樹脂表・PP表のいずれも傷み過ぎていなければ《い草表》と同様、裏返しが出来ます。
では先ず和紙表です。縁無し畳に好まれている材料です。
画像でお分かりかと思いますが、機械すきの和紙を短冊状にカットした原材料を特殊技術で8回紙縒り、1本の草状に仕上げ織機に掛けて畳表に織り上げます。拡大画像を見て頂くと、その構造がはっきり見て取れると思います。8回紙縒っていますので、少々の擦れが出ても同じ色が出て来る様です。
また表面には撥水加工を施していますので、数年間は水系をこぼしたとしても素早く拭き取ればシミ等が付き難い特徴を持っています。染料は化粧品にも使われている《顔料》を使用していますので、安心・安全です。紫外線による日焼け・色褪せ等が【い草】と比べてし難い事も特徴となっています。畳として使いますので、当然長い間には汚れますし痛みます。でも【い草】で見られるズボンなどに付着する《ささくれ》と言った傷み方はしない様です。新素材の中で、最も【天然い草】の風合いに近い材料です。
ここまでを読むと、和紙表は畳表として完璧な材料に聞こえると思いますが、【天然い草】が持っている優れた機能の『調湿性・芳香性・抗菌性・森林浴効果』等は持ち合わせていないのも、和紙表のもう一つの特徴なんですね!
次に樹脂表です。
材料の特徴は基本的には和紙表と似ていますが、異なる部分をご紹介しますね!
一番の違いは原材料です。プラスチックで作られていますので水系には真価を発揮してくれます。樹脂そのものには水分は一切染み込みませんね。ですからホテル・旅館・介護施設・ペット共生世帯等によく使われています。但し、高熱・火気には弱く溶け出してしまいます。太陽が長時間当たる部分は高熱を帯びますから、違う材質の敷物を敷かれる事をお勧めします。
製造方法はプラスチックをテープ状にして特殊技術で《熱癒着》させ、1本の草状にして織機に掛けて畳表に織り上げます。拡大断面画像を見ると、まるでキャベツの断面そっくりですよね!よくこんな技術をを考えましたよね、感心しきりです。
この構造にした1番の理由は《クッション性》です。確かに新素材の中では一番柔らかな触り心地を体現出来ますね!
ただ、擦れ等で表面の熱癒着部分が剥がれると《剝け》が出て来ます。水系が染み込まない事が特徴ですので、夏場などでのベトつき感は否めません。【天然い草】が持っている優れた機能の『調湿性・芳香性・抗菌性・森林浴効果』等は持ち合わせていません。染料は和紙表と同じ《顔料》で、溶かしたプラスチックに混ぜています。塗料で染めているのでは無いんですね。
最後にPP(ポリプロピレン)表です。
特徴はほぼ、樹脂表と同じですので違う部分をお伝えしますね!
新素材の中で《強度・硬度》は1番です。車椅子が回転したとしても剝けたりしない程の強度があります。プラスチックを溶かして「ところてん方式」で押し出し1本の草状に作っています。この製造方法の違いが表面強度を生み出しています。断面を見ると細かい穴状が確認出来ると思いますが、これは発泡痕で、ある程度のクッション性につながっています。高熱・火気には弱く溶け出してしまう、太陽が長時間当たる所が高熱を帯びる点も樹脂表と同じです。『調湿性・芳香性・抗菌性・森林浴効果』等を持ち合わせていません。ベトつき感も樹脂表同様ですが、織り方(綾織り)によっては健康サンダルの様な心地良い足触りが体現出来ますね。ちなみに私の自宅の玄関~廊下に【敷楽/綾織り】を敷いています。
以上、新素材のご説明をさせて頂きました。新素材の魅力はなんと言ってもそのカラーバリエーションと色の安定性ですよね!どんなラインナップがあるのかは、このアドレスhttp://syokuninkatagi.com/blog/?page_id=2002をクリックして見て下さいね。ご自宅の畳デザインを自由気ままに変身させる事が出来るんですね!!比較参考画像として、【天然い草】【天然ワラ】の断面画像もご覧頂けますよ!
YouTube 『畳替え、な~るほど納得!映像館』チャンネル スタート!
もっとリアルに!もっと判りやすく!!《畳のいろは》をお届けするために、YouTube 『畳替え、な~るほど納得!映像館』チャンネルをスタートしました。あくまで職人気質流となりますが、皆様に楽しんで見て頂けます様に、畳の知識を深めて頂けます様、コツコツ精進して行きます。畳屋からの視点では無くて、お客様の視点に立った『畳への疑問』にお答えして行きますので、どうぞ宜しくお願い致します。
家を建てる人・造る人。。
お客様から畳替えの依頼を受け、お打合せに行きました。5年前に裏返しをされたので、今回は畳表取替えでした。材料も決まり御見積書を書き始めた時です。
『畳屋さん、もし畳床から新しく替えるといくらくらいになるんだい?実は今使っている畳が硬くて気に入らないんだよ。藁床が良いんだ。この畳、藁床じゃ無いだろ?俺も確かめなかったから悪いんだけど、新築した時そっくり建築屋に任せちまって、頭から畳は藁床だとばかり思い込んでて、5年前裏返しやってもらった時初めて藁床じゃないって判ったんだ。もったいないから、裏返しをやってもらったけど、それ以来ずっと考えてたんだ。大工は何も言ってくれなかったんだ。』
同じようなお話、チョクチョクお聞きします。これは材料が原因では無いんですね。藁床も、藁で無い畳床もそれぞれに特徴を持ったチャンとした材料です。問題はお施主様は畳と言ったら藁床と認識していましたが、建築屋さんの畳標準仕様は藁では無い床だったんですね。ここがすれ違いの基なんだと思います。欲しかった物と実際とが違った、ガッカリ・・・。施主様から任されたからと、建築屋さんは仕様説明を怠ってしまったのでしょうかね。いや、すべてを任されたならば尚の事、畳に限らず細かい建築仕様説明をすべきだったと思います。仕様説明をすれば、もし施主様のこだわりと建築屋さんの仕様のずれが見つかれば共有出来ますし、そこで仕様変更が可能になります。出来あがってからでは・・・。今回のお客様のように、不満を持ちながらの暮らしを強いる事を避けられた可能性はあると思います。
一方で家をで新築・増改築すると言う事は、施主様にとって一生を注ぎ込む大仕事です。請負主にすべてを任せると言う事は大切な事ですが、建てる前に自らも出来うる限りの勉強をするべきかとも思います。
具体的にどんな家を建てたいか・・・、それが無くて安易に『任せるから』と言われても建て様がないですし、請負主の建てたい様に造られてしまう可能性も出て来るのではないでしょうか?職人はそれぞれ得意分野を持っています。例えば2×4が得意な建築屋さんに本格数寄屋建築を任せれば不満足な家となるでしょうし、逆のケースも同じだと思います。勉強した上で業者を選定して、職人さんとの濃密なコミュニケーションを取らなければならないでしょう。職人さんも面倒くさがらず積極的に情報を開示して、お施主様のご要望・ご質問に耳を傾け職人の立場からの提案をその都度繰り返さなければ、お互いの幸せにはたどり着けないのではないでしょうか?
家を建てる人・造る人、両者が一生嫌な思いを持ち続けるのは、とても悲しい事です。
尚仁沢へ行ってきました。
先日、尚仁沢のお客様宅へ採寸に行きました。話にはよく聞いていましたが、未だ一度も行った事が無かったので思い切って仕事の帰りに行ってみました。栃木県塩谷町の山奥にあります。尚仁沢ってなぁ~に?
険しい山道を登ってやっとたどり着いたら、そこには別世界が広がっていました。日常の雑踏が一気に吹っ飛びました。
動画①湧水ポイント
動画②心が洗われました
動画③また、行こうと思います
そうそう、ハイキングに行ったんじゃ無かったですね(汗)。古民家の改修をされています。ご主人に尋ねた所、戊辰戦争で焼失後再建してから約140年代々住み続けているそうです。改めて日本の木造建築技術のレベルの高さを思い知りますね!
畳替え、な~るほど納得!情報館。
『涼』を届けます・・・
7月に鬼怒川温泉で行われた花火大会の動画です。
夏の温泉街に花火がとてもよく似合いました。鬼怒川温泉駅前から、ゆるキャラ「鬼怒太」・温泉宿・花火を一緒に撮りました。思わず泊まりたくなってしまいました。どうぞご覧下さい。
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